この記事では、建築用内装材料として欠かせない石膏ボードについて解説します。

住宅の壁や天井の素材として用いられているのが、石膏ボードと呼ばれる建築材料です。この記事を読むことで、目的に合った石膏ボードを購入する検討が出来ます。

目次

石膏ボードとはなにか?

石膏ボードとは、石膏を中心とした板状の建築用内装材料です。

壁や天井に用いられていますが、大抵の場合、外側(表面)にクロス(壁紙)が貼られています。

そのため、壁や天井を家の中から見ても表面に石膏ボード自体がむき出しになっている場合はあまりありません。

壁に画びょうを刺して抜いたとき、白い粉がつく場合は、壁の中の素材が石膏ボードでできていると考えてよいでしょう。

石膏ボードが重宝される理由は、防火性、遮音性、寸法安定性などです。安価に手に入り工事もしやすいことから、様々な施工会社が石膏ボードを使っています。

キッチンの壁の内側に石膏ボードの下地を使い、上にタイルを貼ったり、リビングの天井や壁に石膏ボードの下地を用い、クロスで表面を綺麗に加工したりして使います。

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石膏ボードが劣化・破損する原因

石膏ボードは、石膏と紙の繊維が結合して一枚の板になっています。細かい繊維が密集しているため、面で取り扱う場合はとても強い力を発揮するでしょう。

一方で、点にはとても弱く、硬くて大きなものが壁に当たると、簡単に穴が空いてしまいます。

一般的なタイプの石膏ボードは湿気を含みやすい性質があり、場所によってはカビになりやすい欠点にも注意が必要です。

湿気を含み、カビが発生したまま放置しておくと、石膏ボードが膨らみ、もろくなってしまいます。

軽い衝撃でも壊れやすくなってしまうでしょう。

石膏ボードの修理は自分でできる?

石膏ボードが壊れた場合、修理は業者に頼むが自分で行うかの2択です。

どう判断すれば良いのか、基準となる3つのポイントは以下の通りです。

穴は大きさで修理を依頼するか判断する

穴が大きく空いていたり、傷が深い場合は自分で修理するのは困難かもしれません。拳よりも大きければ、業者に頼むとよいでしょう。

小さな穴の場合は自分で修理しても問題ありません。

クロスの張替えも小さければ自分で行える

壁や天井の内側にある石膏ボードが破損している場合、外側のクロスも当然破れているでしょう。

クロスが大きく剥がれている場合は、つなぎ目に合わせてクロスの張替えが必要になります。

クロスがあまり剥がれておらず、穴が空いているところの付近だけクロスが取れている場合は、自分で新しいクロスを一部張り替えることで対応できます。

石膏ボードの破損も小さければ自分で修理可能

壁や天井に穴が空いている場合、その中の素材である石膏ボードにまで到達していることも少なくありません。

石膏ボード自体がどのくらい破損しているかによって、自分で修理できるか業者に頼むべきか判断できます。

小さい穴であれば、ホームセンターなどで売っている補修アイテムで修理可能です。

石膏ボードの修理にかかる費用

以下では、破損してしまったり、もろくなった石膏ボードを修理する費用を、自分で直す場合と業者に依頼した場合にわけて解説します。

業者に依頼した場合の相場

壁に穴が空いてしまって、その修理を業者に依頼した場合、1.5〜3万円が相場と言われています。

クロスの張替えなどを伴う場合は、1.8〜3万円が相場と言われています。

自分でおこなう場合は材料費で変わる

自分で補修する時の費用は主に材料費です。

補修方法によって費用も異なります。補修プレートを使った場合はプレートが約600〜1,400円、パテが約600円で、合計は1,200〜2,000円程度です。

石膏ボードを張り替える場合はもう少し費用がかかります。

石膏ボードが約400円、石膏ボードビスが約450円、補修用メッシュテープと補修用パテで約2,000円なため、合計は3,000円弱となります。

業者に頼む場合と比べて、安価に補修することが出来るでしょう。しかし、補修を自分で行うことのデメリットは「仕上がり」です。

業者に依頼すれば綺麗に補修してくれるため、傷の大きさが小さい場合には、補修した箇所がわからないくらい綺麗に直してくれる事も少なくありません。

自分で行う場合は経験がないとうまくいかない場合もあるため、仕上がり具合が異なってきます。

自分で行う場合の注意点

自分で補修を行った方が格段に費用が安いです。

しかし、住宅が賃貸物件の場合は注意が必要です。勝手に自分で補修すると、契約違反になる場合もあるでしょう。

天災や劣化による石膏ボードの破損は、貸主負担で補修してくれます。自分で勝手に直して契約違反だった場合、賠償金を取られる可能性もあるため十分注意が必要です。

石膏ボード修理の道具

石膏ボードの修理や補修を自分で行う場合には、いくつか道具を揃えなければなりません。

修理に役立つ道具は以下の通りです。

石膏ボード修理の道具
・補修用パテ(接着剤のようなもの)
・補修プレート
・補修用メッシュテープ
・石膏ボード
・石膏ボードビス
・パテベラ
・ローラー
・スポンジ又は布巾
・カッター
・サンドペーパー
・板材
・マスキングテープ

石膏ボード修理の手順や時間

補修プレートで補修する

まず、破損した部分を取り除かず、破れてしまった紙の凹凸をなくします。サンドペーパー(80番程度)を使って、軽く磨いて表面を整えるとよいでしょう。

補修プレートの裏紙を剥がして、空いた穴に重なるよう、シートを貼り、シートを接着させたら、乾いた布で上から擦り、しっかりとくっつける必要があります。

次にシートの上に補修用パテ(接着剤)を塗ります。

シート全体が隠れるように、覆うように塗り、パテの厚さが均一になるようにヘラで伸ばすのが大切です。

この作業をしっかりと行うことで、補修した跡が目立たなくなるでしょう。

シートの段差がわからなくなるくらいまで、パテを伸ばしたら、乾燥させます。(数時間〜1日)

しっかり乾いたら、サンドペーパーを端材などに巻きつけて手で持ちやすくし、パテを塗った部分を凹凸がなくなるまで磨きます。

色が周りの壁の色に馴染んできたら完成です。

石膏ボードを張り替える補修方法

破損した部分の壁紙と、周り10cmほどの大きさをカッターで切れ目を入れて、切り取ります。

大きさがわかりにくい場合は、マスキングテープなどを使って、切り取る部分をマークすると綺麗に切ることが可能です。

角などの切り残しはカッターで綺麗に削り、切り取った部分の寸法を測ります。

補修用ボードも同じ大きさに切り、切り取った補修用ボード、穴の縁をサンドペーパーで磨き、凹凸をなくしておくとよいでしょう。

壁紙を切り取った壁の内部は少し凹みがあるため、凹みに小さい木材を入れ、ボードが固定できるようにします。ボードの上から石膏ボードビスを打ち、木材をしっかいと固定するのがポイントです。

張替え用の補修ボードを穴にはめて、先ほど当てた固定木材がある部分にネジで固定し、ボードがうまくはまらない場合はサンドペーパーやカッターを使って大きさを整えます。

穴が埋まったら、補修用メッシュテープを貼り、補修用パテを塗りのばし、しっかり乾燥させます。

乾いたらサンドペーパーで磨いて、表面が他の壁の部分を区別がつかなくなったら完成です。

石膏ボードについてのまとめ

  • 石膏ボードとは石膏を中心とした板状の建築用内装材料です。
  • 石膏ボードは防火性、遮音性、寸法安定性に優れており、天井や壁などに用いられています。
  • 石膏ボードは湿気に弱く、水分がたまると劣化しやすいです。
  • 石膏ボードが壊れたら、自分で直すか業者に頼むか、傷の大きさや深さによって良い方を選ぶとよいでしょう。