写真を撮ることを趣味にすると、どんどん機材やツールが欲しくなるものです。その中でも、画像や写真の仕上がりを左右するツールのひとつに遮光フードがあります。

この記事では、光りをさえぎる遮光フードについて、カメラに使う遮光フードやフードが必要な理由、編集の際のモニターに使える遮光フード、遮光フードを自作する方法などについて解説します。
撮影から編集まで、遮光フードで一気に快適になります。

目次

遮光フードは光を遮るために使用するもの

遮光フードは、その名の通り光を遮断するために使うものです。

しかし遮光フードにも、さまざまな種類があります。

遮光フードには種類がたくさんある

一般的な遮光フードは、以下のような種類のものが発売されています。

・モニター用
・カメラ
・ビデオカメラなどの液晶画面用
・カメラのレンズ用

その中でもカメラのレンズ用の遮光フードは、レンズフードともいわれます。
レンズフードには、主に3つの形があります。

円形フード

もっともシンプルな筒形のレンズフードは「円形フード」です。円形フードは、単焦点レンズ向きのフードになっています。

単焦点レンズはズームすることがないので、フードをつけても影が画像に映り込む心配がありません。

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Cikuso

花形フード

レンズフードの先が花びらのように広がっているのが「花形フード」です。これは、ズームレンズ向けのフードといわれています。

ズームするたびに画像になる範囲が変化するのがズームレンズですが、フードの影のうつり込みがないように、レンズの四隅をカットしたのが「花形フード」です。

新しいズームレンズ付きカメラを買った場合、ほとんど「花形フード」がセットになっていることでしょう。

ドーム型レンズ

カメラを携帯して使う人にとって、フードの大きさも気になるところです。

持ち運びやすさを重視するなら、「ドーム型レンズ」がおすすめです。「ふじつぼ型フード」といわれることもあります。

レンズを覆うような形のフードで、先の2つに比べて長さが短く、カメラレンズを覆いこむような形をしています。主に単焦点レンズに使います。

しかし、持ち運びやすさを考えてズームレンズにも使いたいなら、撮影前にフードのうつり込みがないかの確認するのがいいでしょう。

1500円~2500円で買えるものが多い

カメラの遮光フードは、最も一般的なプラスチック製のカメラメーカー純正のレンズフードで1500円~2500円ほどです。

同じ種類のレンズフードでも、シリコン製やメタル製などもあります。
シリコン製は、カメラにつけたまま裏返して収納できるので、いちいちつけ外しする手間が省けます。

また、メタル製のレンズフードは、質感のよさでカメラ全体をスタイリッシュにアップグレードしてくれます。カメラをもつスタイルにこだわりたいなら、プロの愛用者が多いメタル製にするのもいいでしょう。

カメラに遮光フードを使用する理由

遮光フード全般は、光りを遮断するために使用します。その他にも、遮光フードにはどんな効果があるのか解説します。

光の映り込みを防ぐ

写真を撮った時に、余分な光が映り込むことがあります。以下のような状態のことです。

・フレア・・・光が当たっているところがぼんやり明るくなること
・ゴースト・・・奇妙な光の映り込み、丸い光のたまが映り込むような現象

これらは、写真撮影の際に過剰な光が入ったことによります。

あえてフレアやゴーストをいかす撮影もできますが、撮りたいものを妨げてしまう場合には、レンズフードで光の量を調整できます。

ガラスの反射を防ぐ

水族館や室内から外を撮影する際など、ガラス越しになることも意外と多いものです。そのままガラス越しに撮影すると、反射している自分の姿や周りのものが写真にぼんやりと映り込んでしまいます。

反射の映り込みを防止するには、ガラスに密着する撮影がいいでしょう。

その際に、レンズを直接ガラスにつけるのはよくありません。円形フードを装着してガラスに密着する方が距離を調整しやすく、撮影もしやすいのです。また、レンズを守ることにもなります。

ガラスの反射を防ぐのが目的なら、レンズフードは密着した時に隙間のある花形ではなく円形にしましょう。

レンズを守れる

カメラのレンズは、とても繊細な構造になっています。
しかし、レンズフードをつけていれば、ぶつけたりした時の衝撃を和らげることができることもあります。

先に紹介したガラスに密着する撮影でも、レンズフードはカメラのバンパー的な役割をしてくれるでしょう。

また、レンズが汚れてしまうと撮影に影響が出てします。外での撮影では、雨に降られることもありますが、レンズフードをしていると、レンズの向きに注意してある程度の雨を避けることも可能です。

雨などの水を拭こうとした時に付着する汚れも、最小限に済ますことができます。

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遮光フードを使わない方がいい場合

遮光フードはレンズに入る光を制限するので、ストロボ撮影の際には遮光フードは外すようにしましょう。

光りが欲しいからこそのストロボですし、強烈な光がフードの影を出してしまうことが多くあります。

モニター遮光フードは自作することが出来る

この項目では、モニターの遮光フードについて解説します。

画像の編集にパソコンを使う場合、モニターの場所などによって見にくいことがあります。画面が大きなモニターだと、サイズが合う遮光フードを探すのが困難です。

また、一般的なモニターの遮光フードは、15000円ほどのものが多くなっています。モニターはずっと同じ場所に置くとも限らないので、1万円を超える価格はもったいないと思う人も少なくないでしょう。

しかし、モニターのサイズに合わせて、簡易的にモニターの遮光フードを自作し、費用を抑えることができます。

メインの材料は黒のプラダンを使用

メインの素材は、扱いやすく軽いプラダンがおすすめです。

大きなプラダンは、ホームセンターで簡単に手に入ります。

予算1000円以下で作れる

モニターの遮光フード作成に必要な材料は、以下の4つです。

・黒のプラダン
・小さな蝶番
・両面テープ
・黒い画用紙

どれもホームセンターと100円ショップで買えます。

必要な道具として、はさみ、カッター、蝶番に合わせた小型ドライバー、長い定規があるといいでしょう。

遮光フードの作り方

黒のプラダンを使用する機材の大きさに合わせ切り抜く

まずは、プラダンをモニターに合わせて、上面、左右面の3枚に切ります。

上面は、モニターの横幅×フードの奥行(ひさしの長さ20cm+モニターの厚み+蝶番の長さ+ある程度の余裕)とします。

左右面は、それぞれモニターの高さ×フードの奥行に切り、さらに自分側の角を落としてキーボードを打つ腕の邪魔にならないように、適当にカットするのがいいでしょう。面倒なら、そのままでも問題ありません。

切り抜いた黒のプラダンの裏に画用紙を貼る

プラダンは、そのままだとある程度の光ってしまいます。そこで、遮光フードの内側に来る面に黒い画用紙を張ると光を軽減できます。

両面テープで画用紙を張り付けていけばいいだけですが、これも面倒なら省略してもいいでしょう。

フードがずれ落ちないためにストッパーを付ける

ストッパーといっても簡単なもので、プラダンの余りでつくることができます。

プラダンの余ったもの細めの短冊に切り、左右面の内側に貼り付けるだけの作業です。長さは左右面よりも短めでいいでしょう。

ネジ用の台座を付ける

次に、プラダン3枚を蝶番でねじ留めします。
ねじを使うプラダンの部分は切れ端で補強すると、ねじが反対にとびぬけずにしっかり止めることができます。

蝶番よりも一回り大きいサイズの切れ端を8枚作り、上面の外側4隅、左右面の上面との接触がある角それぞれ2か所、計4か所に外側から両面テープで貼り付けます。

続いて、台座を張った部分の内側に蝶番をつけていきます。
この時、作業しにくいので、まずは両面テープで蝶番をそれぞれ固定するのがいいでしょう。

そして、ねじで留めていきます。
ここでは、切れ端の台座で補強したものの、ねじを回しすぎると反対側に尖った先が出てしまうことがあります。プラダン同士を固定できたら、ねじは最後までまわさないようにするのが無難でしょう。

また、蝶番を止める時には、プラダンの間に隙間ができないように位置を確認しながら作業しましょう。光を遮るフードなのに、隙間ができるとそこから光が入ってきてしまいます。

蝶番をすべて留めると、大きなこの字型の遮断フードの形になります。

蝶番を使っているので、左右面は折りたたんでコンパクトにすることもできます。遮光フードは長持ちするはずです。モニターを移動して遮光フードを使わない時には、いったんコンパクトに収納しておくのもいいでしょう。

モニターに装着

自作の遮光フードは、そのままモニターにのせれば使えます。
万が一、バランスが悪いなら、モニターの後ろ側でひもやフックなどを使って留めるといいでしょう。

遮光フードのバランスも大切ですが、もうひとつ注意すべきことがあります。

モニターの排気口を絶対にふさがないようにしましょう。モニターの故障だけでなく、最悪の場合には家事になることもあります。

排気口にかかっているなら、形を変えて工夫しましょう。

遮光フードのまとめ

  • カメラレンズ用の遮光フードは、レンズフードとも呼ばれ、「円形フード」、「花形フード」、「ドーム型フード」の3つが主流です。
  • もっともシンプルな筒形のレンズフードは「円形フード」と呼ばれ、単焦点レンズ向きのフードです。
  • レンズフードの先が花びらのように広がった「花形フード」は、ズームレンズ向けのフードです。
  • 持ち運びやすさを重視するなら、「ドーム型レンズ」がいいでしょう。「ふじつぼ型フード」といわれることもあります。
  • 多くのカメラの遮光フードは、1500円~2500円で買えます。同じ種類のレンズフードでも、シリコン製やメタル製などもあります。
  • カメラに遮光フードを使用する理由には、「フレア」や「ゴースト」の原因になる光の映り込みを防ぐため、ガラス越しの撮影でのガラス面の反射を防ぐため、衝撃や雨などからレンズを守れるためなどがあります。
  • 便利な遮光フードですが、使わない方がいい唯一の場合があります。ストロボ撮影の際には遮光フードの影が出ることがあるので、フードは外すようにしましょう。
  • モニターの遮光フードは、15000円ほどします。ぴったりな大きさがない場合や費用を抑えたいときには、自作することが出来るます。
  • メインの素材は、扱いやすく軽いプラダンがおすすめです。他には、小さな蝶番、両面テープと黒い画用紙になります。どれもホームセンターと100均で買え、1000円ほどで揃えられるでしょう。必要な道具は、はさみ、カッター、蝶番に合わせた小型ドライバー、長い定規があるといいでしょう。
  • 遮光フードの作り方の大まかな流れは、黒のプラダンを使用する機材の大きさに合わせ切り抜く、切り抜いた黒のプラダンの裏に画用紙を貼る、フードがずれ落ちないためにストッパーを付ける、ネジ用の台座を付けるという順番です。詳しい作り方を紹介していますので、参考にしてください。
  • モニターに装着する時には、遮光フードでモニターの排気口を絶対にふさがないようにしましょう。モニターの故障だけでなく、最悪の場合には家事になることもあります。排気口にかかっているなら、形を変えて工夫しましょう。