2011年の地デジ化でテレビを購入した人の新たな買い替え需要もあって、有機ELの4Kテレビが消費者の関心を集めています。そこで、ここでは大画面薄型テレビの新たなトレンドといえる有機ELテレビについて解説してゆきます。

そもそも有機ELテレビとは?

有機ELテレビとは、電圧をかけると発光する特殊な有機物を使って映像を表示する薄型テレビのことをいいます。一般的な液晶テレビは自発光式ではないため、液晶の背面に光源のライトを設置しなければなりません。

そのためディスプレイ部にある程度の厚みを持たせる必要がありますが、自発光式の有機ELは光源のライトが必要ないので、ディスプレイが70インチを超えるような大画面でも、スマホのように薄くすることができます。

有機ELテレビに使われるジアミン、アントラセン、金属錯体などの発光材料はすべて有機物になります。そして、それらに電圧をかけると発光する現象を「有機エレクトロ・ルミネッセンス(Organic Electro Luminescence)」といいます。

そこから有機物を発光材料にしたテレビのことを「OELD」または「有機ELテレビ」と呼ぶようになりました。

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有機ELテレビのメリット

有機ELテレビのメリットとしては、おもに以下の4つをあげることができます。

画質が綺麗

有機ELは自発光式のため、液晶よりもコントラストが高く、画質がクリアで、特に黒色は液晶にはない深みがあります。発色も鮮やかで、階調のなめらかさも有機ELならではの強みといえます。

また液晶よりも応答速度が速いため、ゲームなどの動きが速い映像でもブレをほとんど感じさせません。

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消費電力が小さい

有機ELは発光効率が高く、理論的には液晶テレビよりも大幅に消費電力を低減することが可能です。ただし、残念ながら現状では、有機ELテレビがLEDバックライトの液晶テレビよりも省エネになることはありません。

現在の有機ELテレビは、発色にカラーフィルターを使用するため、じゅうぶんな輝度を確保するためには、それなりの電力が必要になります。

視野角が広い

有機ELテレビが掛け値なしに強いのが視野角の広さです。液晶テレビは光源のライトが液晶の裏面にあるため、視野角が広いとされるIPSパネルでも、斜めから見ると発色やコントラストが低下します。

それに対して自発光式の有機ELは光源がパネルの表面に近いので視野角が圧倒的に広く、色彩やコントラストもほとんど低下することがありません。

音質もいい

有機ELテレビは構造上、ディスプレイを極限まで薄くすることができます。しかし、本体が薄すぎるとスピーカーも薄く小さくする必要があり、音響設計が難しくなります。

ハイエンドの有機ELテレビは、各メーカーとも画質はもちろん音質の向上にも力を注いでいますが、ディスプレイ部が薄いとスピーカーが別体になり、登場人物のセリフや効果音が離れて聞こえる難点があります。

こうした問題をクリアするため、ソニーのBRAVIA A1シリーズは有機ELのパネルそのものをスピーカーの振動板として使うことで、映画のセリフや効果音が画面の中から聞こえるというリアルなサウンドを実現しています。

さらに低音用のサブウーファーを背面スタンドに収納することで、ディスプレイの薄さと迫力ある音質を両立しています。

有機ELテレビの価格は?

有機ELテレビは国内外のメーカー各社がハイエンドの4Kテレビに投入しています。そのためサイズが大きめで、比較的高価です。

売れ筋の55インチモデルの場合、国内メーカーの価格は安くても30万円台の後半です。

しかし、大画面の有機ELパネルを唯一製造するLGエロクトロニクスのテレビは、パネル供給メーカーの強みもあって、国内メーカーより2割ほど安い戦略的な販売価格で、有機ELテレビの低価格化をリードしています。

おすすめの有機ELテレビ

パナソニックVIERA TH-65FZ950

パナソニックはVIERA(ビエラ)シリーズのトップレンジとなる5つのテレビを、3,840×2,160ドットの4K有機ELで展開しています。

そのうち65インチのTH-65FZ950は、ビエラ有機ELシリーズの中核モデルで、上位モデルと同じブラックフィルターを搭載し、有機ELならでは完全な黒を実現しています。

さらに画面の明るさに合わせて、映像信号の補正量をダイナミックに変化させる独自のカラーマネジメント技術により、暗部だけでなく明部の階調と色彩も忠実に再現しています。

スピーカーはネオジウム磁石を採用したフルレンジスピーカーと、ダブルウーハーの2ウェイで、合計最大出力は40Wです。さらに低音を増強する4個のパッシブラジエーターにより、迫力あるサウンドを実現しています。

パナソニックVIERA TH-65FZ950

LGエレクトロニクス OLED65E8PJA

LGエレクトロニクスの日本向け有機ELテレビは全て4K対応で、5シリーズ10モデルを展開しています。

そのうち65インチのOLED65E8PJAは、LGの有機ELシリーズの中核モデルで、有機EL専用の画像処理エンジンを搭載し、4段階でノイズを徹底的に除去することができます。

さらに画像を分析して輪郭をシャープに整え、コントラストを高くすることで、奥行き感を強調する機能も装備しています。HDRは主要な4つの規格に準拠です。

SDR映像もHDR効果モードで、HDRレベルにアップコンバートすることができます。サウンド面では、音を前方に放つフロントファイアリング方式を採用。3Dサウンドのドルビー・アトモスにも対応しています。

LGエレクトロニクス OLED65E8PJA

有機ELテレビについてのまとめ

  • 有機ELテレビとは、電圧をかけると発光する有機物で映像を表示するテレビのことをいう。
  • 有機ELテレビは視野角が広く、発色は黒に深みがあって、階調性が良い。
  • 有機ELパネルは国内外のメーカーがハイエンドモデルに採用している。