ホームセンターでも買えるような時計ならまだしも、ある程度高級な腕時計を購入しようと思ったら、クオーツ式という選択肢はなかなか出てこないでしょう。

腕時計に興味が出てきた人は「高級腕時計=機械式」というイメージが強いかもしれませんが、時計好きじゃなくても知っているロレックスやオメガといった高級腕時計メーカーにも、クオーツ式の腕時計がラインナップされています。

「奮発して高級腕時計買うなら、高級腕時計らしさが強い機械式腕時計以外にあり得ない」という意見も分かりますが、初めての高級腕時計として手入れや扱いが簡単なクオーツ式も選択肢に入れてみてください。

ここでは、クオーツ式腕時計の特徴、高級腕時計メーカーに存在するクオーツ式のラインナップを紹介しているので、クオーツ式も選択肢に入った中から自分に合った最高の一本が見つかるでしょう。

クォーツ式腕時計の特徴

腕時計はムーブメントと呼ばれる機械によって、時計の針を動かしています。

このムーブメントには、ゼンマイを動力とする「機械式」と電池を動力とする「クオーツ式」の二種類があります。

今回紹介するクオーツ式は、動力源が電池であるため機械式には無いメリットがたくさんあります。時刻を知るという時計の性能だけを求めるのならば、クオーツ式以外に選択肢はあり得ないということは、誰の目にも明らかでしょう。

クォーツ式腕時計のメリット

  • 精度が非常に高い
  • 衝撃に強い
  • 安価に製造可能
  • 維持コストが非常に低い

機械式腕時計は1日で±15秒ほどの誤差が出てしまいますが、クオーツ式は1ヶ月で5秒程度の誤差しか発生しません。

最高レベルで比較してみても、機械式は1日に数秒の誤差、クオーツ式は一年に数秒の誤差といった大きな差があります。

クオーツ式は、機械式に比べて衝撃に強いのも特徴です。機械式は高さ1mから落とすと故障してしまう可能性が高くなっていますが、クオーツ式は2mでも故障することは極稀です。

日本ムーブメントメーカーであるmiyata社製なら、数百円でクオーツ式のムーブメントを入手可能なので、腕時計全体の価格を大きく下げることが可能です。

ちなみに高級クオーツ式腕時計に使われるムーブメントは、精度が高いことで有名なスイスのETA社製が多くなっています。

機械式は数年に一度、完全に分解し油をさし直すためのオーバーホールが必要ですが、クオーツ式は数年に一度の電池交換だけで正常に動き続けるので、維持コストが非常に低いのが特徴です。

クオーツ式は電池と電子回路で動いているので、約10年間使用すると電子回路自体が壊れてしまうというデメリットがあります。

耐用年数という面に注目すると、正しくメンテナンスしていれば半永久的に壊れない機械式に軍配が上がります。

クォーツ式腕時計とは何か 特徴と歴史 オススメのクォーツ式腕時計
機械式時計の種類と選ぶ際のポイントを解説 価格別のおすすめを紹介

高級腕時計ブランドでもクォーツ式がある

「電池で動くクオーツ式は安い腕時計」というイメージを持っている人がいるかもしれませんが、高級腕時計で有名なロレックスもクオーツ式腕時計を製造しています。

SEIKOが世界初のクオーツ式腕時計を発表した1969年、その翌年からロレックスも製造を開始し、現在でもオイスタークオーツというモデルが製造されています。

いつまでもラインナップから消えないのは、クオーツ式の高級腕時計に需要があるからです。

クオーツ式は高級腕時計ブランドの中では、比較的低価格になるので腕時計初心者でも手が出しやすく、エントリーモデルとして愛されています。

機械式の高級腕時計は、磁気や衝撃に相当な注意を払わなければ簡単に故障してしまうので、日々の生活は腕時計が中心に回っていきます。

これは腕時計好きとしては嬉しいことですが、まだ腕時計にハマりきれていない初心者としては、この繊細さをデメリットと感じてしまうでしょう。

クオーツ式の高級腕時計は、機械式のものほど磁気や衝撃に対して過敏にならなくて良いので、仕事中も休暇中も気楽に腕時計のデザインを楽しむことが可能です。

まずは、クオーツ式の腕時計を実際に数ヶ月試してみて、高級腕時計の素晴らしさを体感できたら、上級者向けの機械式腕時計にステップアップするという流れがおすすめです。

時計の敵となる磁気とはなにかと磁気抜きの方法 磁気抜きの相場
耐磁時計おすすめの紹介 腕時計とは切っても切れない磁気帯びの解説

オメガ シーマスター アクアテラ クォーツ

オメガは腕時計メーカーの売上第4位を誇るスイスの名門時計メーカーです。

1900年に世界で初めて一般向けに腕時計の販売を開始し、1969年にはアポロ11号と共に月に初めて降り立った腕時計「スピードマスター」を製造した時計史にとっても重要なメーカーと言えます。

日本国内でもロレックスと並び非常に人気が高く、特にビジネスマンに人気が高いのが特徴です。

ロレックスの腕時計は派手な装飾が施されたモデルが多いので、どちらか言えば「成金」のイメージを持つ人も一定数存在します。それに対してオメガは、「仕事が出来る人」が付けているイメージが強く、好印象を持たれやすくなっています。

使い分けが可能であれば、仕事中はオメガ、休日やパーティなどはロレックスという使い分けが最高です。

しかし、どちらも安い腕時計ではないので、どちらか一本を選ぶならば、スーツスタイルにもカジュアルスタイルにも対応できる万能なオメガがおすすめです。

今回紹介する「シーマスター アクアテラ」の名前には、ラテン語でアクア(水の)テラ(地球)という意味があります。

ラテン語は、フランス語イタリア語ルーマニア語などの元となった言語であり、意味としても壮大なテーマが用いられていることからも、オメガというメーカーにとって重要な位置づけのモデルであることが分かります。

シーマスターは、1948年に発売されたオメガの代表的なダイバーズウォッチで、オメガの中でも一二を争う人気の高いモデルです。

シーマスターアクアテラは、屈強なダイバーズウォッチというよりもドレスウォッチの部類に入る腕時計です。

潜水中に空気残量を確認するための回転ベゼル、飽和潜水時に必須なヘリウム抜きをするためのヘリウムエスケープバルブ、リューズを衝撃から守るリューズガードといった、ダイバーズウォッチに必須の3つの装備がありません。

しかし、3つの機能のどれもプロの潜水士しか使わない機能であり、一般的な空気ボンベを使うスキューバダイビングであれば、150mまでの防水性能を持つアクアテラのような簡易的なダイバーズウォッチで全く問題ありません。

また、回転ベゼルは男らしい風格を醸し出し過ぎてしまうので、スーツに合わせるならアクアテラのようなシンプルな見た目が良いでしょう。

アクアテラのクオーツ式と機械式には、ムーブメント以外にも価格とデザイン性に違いがあります。

機械式は40万円以上と高額ですが、クオーツ式は10万円台で購入が可能になっています。超一流ブランドの腕時計をこの価格で購入できるのは、アクアテラの最も大きな魅力です。

残念ながらクオーツ式のデザイン性は機械式に劣ります。クオーツ式は平面的でノッペリとした印象ですが、機械式はホワイトゴールドを使用し立体的な構造になっています。

クオーツ式は高級感という面において機械式に劣りますが、値段の差を考えれば当然の差であると言えますし、両者を並べて比較しないことには、相当な腕時計好きでない限り気がつかないでしょう。

ワンポイントアドバイス
仕事用のスーツに合わせやすく、手の届きやすい価格なのに、オメガという一流ブランドを身につけられる!

腕時計ブランド OMEGA(オメガ)の特徴と歴史、価格帯の解説
腕時計 オメガ シーマスターの歴史と特徴、価格帯の解説
ロレックスの魅力を紹介 ロレックスの歴史、逸話などを詳しく解説

タグホイヤー アクアレーサー

タグホイヤーは、高級腕時計を比較的安価に製造しているスイスの時計メーカーです。

「高級腕時計を安価」という言葉は矛盾しているように感じますが、ロレックスやオメガのような高級腕時計と同レベルの品質と知名度の高さを維持しながら、低価格で手に入れることが可能です。

1840年に創業され時計メーカーの中でも長い歴史を誇るタグホイヤーですが、超高級路線よりも手の届きやすい価格設定になっています。

タグホイヤーはスポーツ業界との結びつきが強く、モータースポーツの最高峰「F1」、イギリスのプロフットボールリーグ「イングランド・プレミアリーグ」、スペインの「リーガ・エスパニョーラ」、日本の「Jリーグ」といった世界各国の一流スポーツにてオフィシャルタイムキーパーを歴任しています。

また、レアル・マドリード所属のクリスティアーノ・ロナウド選手や、プロテニスプレーヤーの錦織圭選手など、著名なスポーツ選手とのスポンサー契約を多数結んでいます。

タグホイヤー アクアレーサーは300m防水、リューズガード、傷に強いサファイアクリスタル風防、反射を抑える反射防止コーティングといった、ダイバーズウォッチに必要な機能を全て備えているにもかかわらず、15万円台から購入可能というコストパフォマンスの良さも人気の秘訣です。

さらに、ラインナップの多さも魅力になっています

  • メンズモデル、レディースモデル
  • ケース径27、29、32、35、40.5、41、43mm
  • クオーツ式、機械式
  • ケース素材(スチール、セラミック)
  • ベルト素材(スチール、ラバー、セラミック、ファブリック、ゴールド)
  • ダイヤル(パール、ホワイト、カーキ、ダイヤモンド、ブラック、ブルー)

これだけのラインナップがあれば、間違いなく自分に合った一本が見つけられるでしょう。

ワンポイントアドバイス
低価格帯でありながらダイバーズウォッチの基本を抑えた、欲張りな人におすすめの一本!

腕時計 タグ・ホイヤーHERITAGEの歴史と特徴、価格帯の解説
腕時計 タグホイヤー アクアレーサーの歴史と特徴、価格帯の解説

ノモス タンジェント

ノモスグラスヒュッテは1992年にドイツで創業した比較的新しい時計メーカーですが、1906年に廃業した「ノモス」という時計メーカーが母体となっています。

ドイツの時計メーカーが集まる町である「グラスヒュッテ」で再始動したことから、「ノモスグラスヒュッテ」という社名になりました。

ラウンド形状のケースに簡素な文字盤を採用したシンプルなデザインが特徴で、2005年以降は自社でムーブメントを製造しています。

高級腕時計業界全体の売上が伸び悩む中で、自社ムーブメントを開発するのはコスト面から見ても勇気の必要な選択でした。

ほぼ全てのモデルに、スケルトンバックを採用しているのも、ノモスグラスヒュッテの特徴です。

ノモスグラスヒュッテの2017年モデルには、クオーツ式の腕時計はラインナップされていませんが、毎年スイスで開催される国際的な時計の見本市「バーゼルワールド2018」でクオーツ式のタンジェントが発表されるかもしれません。

ワンポイントアドバイス
タンジェントはノモスグラスヒュッテの代表的なモデルで、初めてのノモスに最適な一本!

 

腕時計ブランドNOMOS Glashutte(ノモス)の歴史と特徴、価格帯

カルティエ タンクフランセーズ(レディース)

カルティエはフランスで1847年に創業した、宝飾品も扱う腕時計メーカーです。

女性向けジュエリーの人気も高く、カルティエのリングは女性なら一度は手に入れたい定番の逸品です。

現在では「リシュモン」という有名なラグジュアリーブランドが多数名を連ねるグループに属しています。

カルティエの他にはIWC、A.ランゲ&ゾーネなどがあります。

カルティエの定番モデルである「タンク フランセーズ」は、腕時計というよりも宝飾品としてのブレスレットに時計が付いたといった、非常に美しい腕時計になっています。

ダイヤモンドをちりばめた豪華絢爛なモデルから、スチール製のバンドとケースに白の盤面といったシンプルなモデルまで幅広いラインナップがあります。

ワンポイントアドバイス
ダイアナ妃も愛したカルティエの定番モデル「タンクフランセーズ」は、気品の高さを感じさせる一生モノの腕時計です。

HD3 スライド

hD3は2011年に「ヨルグ・イゼック」「ヴァレリー・ウルゼンバッハ」「ファブリス・ゴネ」という3人のデザイナーによって創業された、スイスの超複雑時計専門メーカーです。

名前の通り「スライド」させることによって、様々な表情を見せてくれる特殊な腕時計です。

人によっては「腕時計」、人によっては「スマートウォッチ」、どちらとも取れる独特な一本に仕上がっています。

ワンポイントアドバイス
見る人が見れば高級腕時計だと分かる、人と被らない高級クオーツ式腕時計を手に入れたい人におすすめ!

クオーツ式腕時計についてのまとめ

  • 機械式は扱いが難しいが、クオーツ式は神経質にならなくてもOK!
  • クオーツ式は「値段が高くない」「精度が高い」「維持コストが安い」
  • 超一流メーカーでもクオーツ式なら、無理せずに購入できるので入門用に最適!