この記事では冷蔵庫の歴史について解説します。

現代の冷蔵庫の違いや国産冷蔵庫の誕生、電気冷蔵庫のルーツや高度経済成長後の冷蔵庫の普及について解説します。

関連記事
ミニ冷蔵庫の魅力と特徴 購入する際の選び方やおすすめ商品を紹介!
冷蔵庫購入の際の注意点と実はよく知られていない設置場所の注意点

もとの冷蔵庫は今と異なる

冷蔵庫は今では私達の生活の必需品となっており、1家に1台は必ずと行っていいほど置いてあるものです。

コンビニやスーパーでも食品や飲料を冷やすために業務用の冷蔵庫があり、当たり前のように食品を冷やすことが出来る時代になりました。

そんな便利な冷蔵庫ですが、昔の冷蔵庫は今のものと違い電気を使わない方式のものでした。

冷蔵庫のはじめは木製の2ドアで上段に氷を入れ、氷の冷気を利用して下段を冷やす仕組みのものでした。

1803年アメリカのトマス・ムーアが最初にこれを発明し、「refrigerator(冷蔵庫)」と名付けたことから冷蔵庫の歴史がはじまったのです。

この形式の冷蔵庫は日本でも売り出されましたが、氷は現代の用に家庭で作ることができなかっため業者で冷蔵庫用の氷を切り出してもらい使用していました。

そのため、当時の冷蔵庫はランニングコストがかかり庶民には手の出しづらいものでもありました。

国産冷蔵庫の誕生

1930年には現在の東芝の前身である芝浦製作所が国産初の電気冷蔵庫を開発しました。

この冷蔵庫はコンプレッサーなどを使用して冷蔵庫内を冷やす仕組みで、機械部分が冷蔵庫の上に露出しているモニタートップ型というものでした。

当時の冷蔵庫は機械部分が露出していることや、構造が複雑であったため故障しやすく音も大きいという欠点がありました。

標準価格は720円で販売され、この金額は当時の小学校教員の初任給1年分以上にあたり小さな家が買えてしまうほど効果なものでした。

そのため、購入者は上流階級や高級レストランなどに限られ、庶民の憧れのものでもありました。

電気冷蔵庫のルーツ

電気冷蔵庫のルーツは1834年にアメリカの発明家パーキンスが冷蔵庫の前身となる圧縮型の製氷機を発明したことからはじまります。

この画期的な発明がされるまで氷は自然の氷を採氷して利用していました。

そのため、氷は手が入りにくく高価なものでした。この製氷機は気体のエーテルに圧力を加え高温・高圧縮化し、冷却パイプを通すことで熱を放出し液化します。

液化したエーテルを蒸発させて気化熱で冷却するという仕組みのものでした。

パーキンスの製氷機が発明されて以降、この仕組を応用して様々な研究者が冷蔵庫の開発に試行錯誤し、1918年にはついにアメリカのケルビネーター社が家庭用の電気冷蔵庫を開発。

はじめは上流階級を中心に一般家庭に普及しはじめました。

高度経済成長で家庭に普及

1950年代後半、戦後の日本では経済白書での「もはや戦後ではない」という宣言に合わせて高度経済成長の時期に突入しました。

この頃の日本では天皇家に伝わる三種の宝物になぞらえ三種の神器と呼ばれる生活家電が国民の憧れになりました。三種の神器は白黒テレビ、電気洗濯機、そして電気冷蔵庫の3つの生活家電を指します。

当時の冷蔵庫は他の生活家電と同じ用にとても高価なものであったため、三種の神器のなかでも一般家庭での普及率はそれほど高くなく、最も遅い普及速度でした。

しかし、高度経済成長での急速な経済の発展によって一般家庭での生活にも余裕が生まれたことにより、1976年頃にはようやく冷蔵庫の普及率も100%に近づくことになりました。

このことにより、家庭構造をはじめ、地域や社会全般へ大きな影響を与えますますの経済成長に繋がっていきます。

冷凍庫付き冷蔵庫

1960年代に入ると冷凍庫付きの冷蔵庫が誕生し家庭で氷を作ることが出来るようになりました。

1962年にはフリーザー付きの冷凍冷蔵庫が発売され、冷凍食品が家庭でも保存出来るようにもなりました。

この頃はまだ1ドアタイプでしたが自動で霜を取り除くといった機能も付加された冷蔵庫も売り出され食品会社は競って冷凍食品の研究を推進することになります。

当時の日本では東京オリンピックが開催され、選手たちのお腹を満たす意図もあり、冷凍食品の技術が盛んに研究開発されました。

一般家庭でも冷凍食品のブームが訪れ、冷凍機能付きの冷蔵庫は更に一般家庭での普及率を押し上げることに一役買うことになります。1965年には日本国内での冷蔵庫の普及率は約50%まで成長したのです。

2ドアタイプ

1970年代に入ると、冷蔵庫と冷凍庫が独立した2ドアタイプの冷蔵庫が主流となりました。

冷凍機能と冷蔵機能がひとつの場所で共存していた1ドアタイプではどうしても冷凍能力が弱ってしまいます。

しかし冷凍と冷蔵が独立して利用出来るようになったことでそれぞれの能力を最大限に引き出すことが可能になりました。

冷凍庫には食品の冷凍だけではなく、製氷機能も付加され冷凍庫としても機能が充実されました。

冷凍庫が独立することによって冷蔵庫の容量にも余裕が出来たことで、冷蔵庫には野菜室やチルド室も付加されるようになります。

食品の長期保存が出来るようになってきたことは一般家庭の食卓を豊かなものに変えていくことになりました。

3ドアタイプ

1972年には肉魚専用室の冷蔵庫も発売され、翌年の1973年には野菜の保存室が独立した3ドアタイプの冷蔵庫が発売されるようになります。

当時、第4次中東戦争の勃発で石油危機に瀕していた日本では電化製品の省電力化が推進され、冷蔵庫にも省エネタイプのものが目立つようになりました。

冷凍部分と冷蔵部分、野菜室で温度管理を変える必要があるため、2ドアタイプの頃よりもより効率的に食品が冷やせるようになります。

この頃から冷蔵庫の形には3ドアタイプから6ドアタイプまで多様化され、各メーカーでも独自の機能を付加されるようになりました。

冷蔵庫の多様化や省エネで家庭の電気代が抑えられるようになったことで冷蔵庫の一般家庭での普及率は更に向上することになります。

こうして冷蔵庫は一般市民生活の中でなくてはならない存在に変わっていきました。

冷蔵庫の普及率

1975年には冷蔵庫の一般家庭での普及率は約100%で、1家に1台は必ずある時代になりました。

冷蔵庫の容量も大幅に拡大され、400L以上の冷蔵庫の価格はとても体に入りやすいものとなりました。

冷蔵庫庫内も食材別に仕切るタイプが一般的になり、冷蔵能力だけでなく使い勝手も向上されていきます。

平成に入ると冷蔵庫の進化は進み、冷蔵庫も冷凍庫も大容量なものが増えていきました。

当時の冷蔵庫のコンプレッサーは下部に存在するものが多かったのですが、上部に持ってくることで冷蔵効果やよりスタイリッシュにするメーカーが出てきたりなど冷蔵庫の見た目にもこだわったりしたものが多く販売されるようになります。

ドアの開き方も片側から開くタイプや観音開きのタイプ、ワンタッチで開くことの出来ることで料理時の時短の手助けになるものや、機能面では除菌や消臭効果を持たせたものなど冷蔵庫は日々進化しています。

今では人工知能が搭載され、収納されている食材に合わせて自動で温度調節をしてくれるようにもなりました。

1家に1台が当たり前になり、どんどん容量や機能が向上されていく冷蔵庫は、1973年頃に注目された省エネも引き続き考慮され、今では電気代は従来の50%以下で使える冷蔵庫も主流になっています。

冷蔵庫の歴史についてのまとめ

  • 冷蔵庫のはじめは電気式ではなく、木製の氷で冷やすものだった
  • 国産冷蔵庫は1930年に販売された
  • 電気冷蔵庫はアメリカで最初に開発された
  • 冷蔵庫は高度経済成長期に普及が拡大しはじめた
  • 東京オリンピックが冷凍食品のブームに繋がった
  • 今では多機能で他容量の冷蔵庫が多くでている