こちらの記事は2022年1月23日に加筆修正いたしました。

ここでは、家庭で祝うひな祭りの伝統的なお祝いの仕方や、当日までに準備するもの、定番料理の由来を解説します。
ひな祭りを祝うための段取りや、お祝い料理に込められた願いが分からない人も少なくありません。
おすすめのひな人形も解説しているため、この記事を読むことで、ひな祭りを祝う準備を学び、ご家庭に合った雛人形選びの検討が出来ます。

ひな祭りの習わし

ひな祭りの習わし
雛人形は慎重に選ぶ
子どもに着物を着させて写真を撮る
家族でお祝いする
ひな祭り料理を準備する
初節句でお祝いをいただいたら内祝いでお返しをする

雛人形を飾ったり、昔から伝わるひな祭りの料理を食べたりするのは、江戸時代から続くオーソドックスなひな祭りの祝い方です。
ひな祭りには、「絶対にこうしなければならない。」という格式高い決まりごとはありません。
各々の家や家族で楽しくお祝いすることが大切です。

雛人形は慎重に選ぶ

現代の雛人形は、「女の子が幸せになるように。」という願いをこめて、縁起物として飾るのが一般的です。

平安時代の頃、雛人形は「流し雛(ながしひな)」という風習で、穢れ(けがれ)を託して川へ流すのが一般的でした。
江戸時代になると、天皇・皇后の姿に似せて作られた男女の内裏雛(だいりびな)が飾られるようになり、次第に雛人形を飾る現代の風習に変化していきました。

雛人形は、ひな祭りのお祝いの中で大きな位置を占めるものであるため、頻繁に買い換えられるものではありません。
購入にあたっては、予算、飾るためのスペース、収納スペースも含めて慎重に検討しておく必要があります。
雛人形は価格だけではなく、人形の数や大きさ、伝統的な形のものから、キャラクターものまで色々な種類があります。

現代では、広いスペースが必要な三段飾りや七段飾りよりも、男雛(おびな)と女雛(めびな)だけの親王飾りや、置き場所に困らないコンパクトな雛人形が一般的です。
江戸時代からの伝統的な技法として伝わる、精巧な作り方による木目込み(きめこみ)人形も注目されています。

子どもに着物を着させて写真を撮る

ひな祭りでは、着物姿で記念写真や集合家族写真を撮る方も少なくありません。

3歳未満の赤ちゃん用には、着物風や袴風のロンパースが売られています。
綿100%で肌に優しく、ロンパースであるため、おむつの取り替えも簡単です。
3歳~5歳位の小さな女の子向けには、着物風カバーオールが販売されています。

着物を着せたい場合は、種類が豊富なレンタルを利用するのも良いでしょう。
スタジオ写真を頼むと、雛人形と同じような十二単風の着物を着て写真を撮ってもらうこともできます。

家族でお祝いする

ひな祭りでは、家族や近くに住んでいる祖父母を呼んでお祝いするとよいでしょう。
昔は家族だけではなく、近所の親しい知人や親戚まで声を掛けて、現代よりも大人数でお祝いするのが一般的でした。

ひな祭り料理を準備する

ひな祭りのお祝いには、古くから伝わる定番の料理があります。

ひなあられ、ちらし寿司、はまぐりのお吸い物、菱餅、白酒などの縁起の良い料理です。
それぞれの食べ物には縁起物としての意味があります。
ひなあられは、ピンク、黄色、緑、白の4色で四季を表現しており、1年を通して女の子に幸せがある事を祈願しました。

ちらし寿司の具材には、豆やレンコン、エビなどを加えます。
豆は健康で「まめ」に働けるように、レンコンは先を見通せるように、エビはエビのように背中が丸くなるまで長生きできるようにと願って入れます。

はまぐりのお吸い物は、二枚貝のはまぐりが、同じ貝同士でしかぴったりと合わないことになぞらえて、生涯ひとりの相手と幸せに添い遂げられるようにという願いが込められています。

菱餅には諸説ありますが、ピンクの餅は桃の花を、白の餅は雪解けを、緑の餅は無病で健康をイメージしています。
白酒は、厄払いのために江戸時代の頃から飲まれています。
中国で厄落として飲まれていた、桃の花びらを浮かべた桃花酒が日本に伝わったのがきっかけです。

現代ではアルコールが入っている白酒の代わりに、色の白い甘酒も飲まれています。
甘酒はアルコールが含まれておらず甘みがあるため、子供でも安心して美味しく飲むことができます。

ひな祭りの定番料理以外にも、唐揚げやケーキなど、家族が好きな料理を用意するのも良いでしょう。
ひな祭りのシーズンに多く出回っているイチゴを使ったショートケーキや、ロールケーキ、イチゴ大福、手作りのフルーツサンドイッチもおすすめです。

初節句でお祝いをいただいたら内祝いでお返しをする

初節句でお祝いを頂いたときは、祖父母や親戚の方に初節句のお祝いの席として食事会をすることがお返しとされています。

欠席や遠方で食事会に来られなかった方には、内祝いとしてお返しをします。
お返しの時期は、初節句のお祝いから数日〜数カ月以内です。
内祝いの品には、縁起物の紅白餅やエビが良いとされていました。

現代では、日持ちが良く、相手の好みに合うような焼き菓子やお酒を贈る人も少なくありません。
内祝いの品は、いただいた金額の30%〜50%程度が良いでしょう。
あまり高価なものをお返しすると返って失礼となります。

熨斗(のし)には「内祝い」または「初節句内祝い」と書きます。
子どもからの感謝の気持ちを表すものとして、子どもの名前を書くのが一般的です。

ひな祭りの準備の段取り

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以下では、ひな祭り当日までの段取りについて解説します。

雛人形を購入するときは、1月末までに自宅に届けられると安心です。
ひな祭り当日に祖父母や親戚、親しい知人を呼ぶ場合は、2月初めまでの早い時期に伝えて予定を入れてもらうとよいでしょう。

雛人形は、2月4日から2月中旬までを目処に、大安など日の良い日に飾ります。
前日までに、人数分の食材の購入と下ごしらえを済ませておき、ひな祭りの翌日には雛人形をしまうのが一般的です。
内祝いのお返しは、いただいた数日〜月内に済ませると良いでしょう。

ひな祭りの地域差

ひな祭りの行事には、各地方独特の伝統文化が残っています。

〇静岡県稲取温泉では、手作りのつるし飾りの風習を受け継いだひな祭りが行われています。
〇千葉県勝浦市の「かつうらビッグひな祭り」では1800体の雛人形が遠見岬(とみさき)神社の石段に飾られており、圧巻の景観を眺めることが可能です。
〇勝浦市芸術文化交流センターや市内各所では、日本最大の享保(きょうほう)雛の8000体がに飾られ、子どもによるひな行列や、スタンプラリーなどのイベントが行われます。
〇福岡県柳川市の「柳川ひな祭り さげもんめぐり」では、さげもんと呼ばれるツルやウサギなどの布人形と柳川まりを組み合わせた、つるし細工が市内各所で飾られます。お雛様による水上パレードも行われる華やかなイベントです。

また、家庭でのひな祭りの仕方にも、地方によって特色があります。

〇愛知県三河地方では、子どもたちが「おひなさまを見せて」といいながら家々を回り、お菓子をもらい歩く「がんどうち」という行事が受け継がれています。
〇島根県隠岐地方では、白の平餅とよもぎ餅を菱形に作って供えるのがしきたりです。

ひな祭りをより楽しむために、自分の住んでいる地域の行事に一度目を通してみるとよいでしょう。

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ひな祭りの準備についてのまとめ

  • ひな祭りには絶対という決まりはありませんが、昔より受け継がれてきた女の子を祝うための伝統的なお祝いの仕方があります。
  • 雛人形は立春の2月4日から早めに飾るとよいでしょう。
  • 雛人形は好みだけでなく予算と共に、飾るためのスペースと片付けた際の収納スペースを考えて決めます。
  • ひな祭りの定番料理は縁起物として伝わるひなあられ、ちらし寿司、はまぐりのお吸い物、菱餅、白酒などがあります。
  • ひな祭りの料理として最近では子どもが喜ぶ甘酒やケーキなども食べられるようになりました。
  • 初節句などお祝いをいただいたときは、内祝いとして数日〜月内にお返しを贈るのが一般的です。