この記事では、ニットに穴が空いてしまった時の対処方法について解説します。
秋冬になって、久しぶりにタンスの中からお気に入りのニットを出したら穴が空いていたという経験をしたことがある方も少なくないでしょう。
穴の原因には色々あります。
この記事を読むことで、ニットに穴が開いてしまい困っている方は参考にすることが出来ます。
目次
ニットの穴を補修する方法
ニットの穴を補修する方法には、大きく分けて絞る方法と、穴の端に残っている網目を拾う方法があります。
いずれも用意するものは裁縫用の糸と針だけです。
網目を拾う方法をとる場合は、楊枝などがあると、事前に目印をつけておくことができるため効率がよくなります。
以下では3種類の補修方法について解説します。
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穴の周囲を並み縫いして引っ張る
この方法は、穴の周りを糸で囲み、引っ張ることで穴を絞る方法です。比較的小さい穴に向いています。
大きい穴にこの方法で補修をすると、絞った際に生地が引っ張られ、目立ってしまう場合があるため注意が必要です。
1.針に糸を通し、2本取りで玉結びをします。
2.ニットを裏返しにして、穴の周りを並縫いで2週します。
3.糸を引っ張ります。この時、穴の部分が一緒に引っ張られて出てきます。これが絞りです。裏側に生地が盛り上がるくらいしっかりとひっぱりましょう。
3.針を取り外して2本の糸を3回ほど固結びします。
4.スチームアイロンを当て、指でおすように生地を整えます。
ニットの網目に沿って糸を拾う
この方法は、穴の周り位にある網目を穴に沿って針を通していく方法です。
並縫いで2週させる方法よりも手間がかかる分、仕上がりは綺麗になるでしょう。
1.針に糸を通します。
2.穴の端にある網目に糸を通し、隣の網目に続いて通します。これを続けて1週の輪になるようにします。網目が無い部分(糸が切れていない部分)は並縫いでつないでいきます。
3.一週させたら糸を引っ張り絞ります。
4.仕上げに玉結びをして完成です。
穴の上下の網目を拾う
この方法は、穴の周りにある網目を上下交互に針で広い穴をふさぐ方法です。
1.針に糸を通します。
2.穴の端に残っている網目に針を通します。
3.通した網目の反対側の網目を探して針を通します。穴の周りの網目に針を上下に通していくイメージです。
4.この作業を繰り返します。穴の端に残っている網目は全て拾うようにしましょう。
5.仕上げに玉結びをすれば完成です。
ポイントはニットの縫い目に合わせて糸を縫うことです。
基本的にニットは縦に編まれています。この方向に合わせることで、網目が元に戻り、きれいな仕上がりとなるでしょう。
ニットの穴を補修する際のポイント
穴の大きさや形状に適した補修方法で行うのがポイント
ニットの補修は、穴の大きさや形状によって適した方法が変わります。
並縫いで囲む方法と、穴に沿って網目を拾う方法は最後に引っ張る工程があるため、比較的大きい穴や長い穴の場合、不自然になってしまう場合があります。
特に長い穴を補修する時は、上下に拾う方法で行うと仕上がりも綺麗になるでしょう。
網目を拾って補修する方法では、網目1つ1つを丁寧に拾うことが大切です。
特に上下の網目を拾う方法では、拾う網目がずれてしまうと、そこがシワになったり、引きつれたりして、仕上がりにも影響がでます。
事前につまようじを網目に通しておくと、網目の場所がわかりやすく、作業効率があがるためおすすめです。
補修は、目の細かいニットよりも粗いニットの方が比較的簡単にできます。
目が細かいニットは、網目の継ぎが少しずれていたり、糸の色が生地の色と少し違うだけでも目立ってしまうものです。
そういう場合は、あきらめてお店に出すのがおすすめです。
補修用の糸は地色に近い色を使用するのがポイント
補修する時に使う糸の色が生地の色と違うと、最後に糸の色が出てきてしまう場合があります。
一番いいのは、ニットを購入した時についてくる捨て糸です。
無い場合は同系色の裁縫糸を使うとよいでしょう。
穴が小さいうちに対応するのもポイント
ニットは、ストッキングの伝線と同じく、ほつれたところから穴がどんどん広がっていきます。
穴が大きくなると、お店に出しても満足のいく仕上がりにならなかったり、高額な修理費用を請求されることもあります。
ニットの穴を見つけたら、なるべく早めに補修するのがおすすめです。
また、早期に補修ができてもまだ安心してはいけません。
虫食いが原因である場合は、他の個所にも、卵を産み付けられている可能性があります。
補修後はドライクリーニングに出すのがおすすめです。
最後にスチームアイロンをあてるのもポイント
補修後は、スチームアイロンを軽く当て、指で揉むようにして生地を整えるとよいでしょう。
補修後の生地は縮んでいることが多いです。スチームアイロンを当てることにより、生地が伸びてさらに仕上がりが綺麗になります。
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ニットの穴補修についてのまとめ
- ニットの補修には、並縫いで囲み引っ張る方法や、穴に沿って網目を拾って引っ張る方法、穴の網目を上下に拾って玉結びで処理する方法があります。
- 補修方法は、穴の大きさや形状によって変わってきます。大きな穴や長い穴に引っ張るような補修方法は向きません。
- 網目を拾う補修方法をとる場合は1つ1つ丁寧に網目を拾うのがよいでしょう。事前につまようじなどを網目に通しておくと、網目が分かりやすく作業効率があがります。
- 目が細かいニットは、網目の継ぎがずれたり糸の色が違うと、仕上がりに顕著に出てきてしまうため、難しい場合は、お店に出した方が良いでしょう。
- ニットを補修する際、糸の色が違うと補修後にその色が出てきてしまうことがあります、同系色の糸を使うと良いでしょう。
- ニットの穴は放置しているとどんどん広がってしまうので、小さいうちに補修をする必要があります。
- 虫食いが原因と疑われる場合、他の個所にも卵を産み付けられている可能性があるため、ドライクリーニングに出すのがおすすめです。
- ニットの補修後は生地が縮んでいる状態であるため、スチームアイロンをかけて生地をなじませるとよいでしょう。これにより仕上がりがさらに綺麗になります。