こちらの記事は2022年7月29日に加筆修正いたしました。
日常に不可欠な冷蔵庫を購入する際、誰しもが自分の居住スペースにあった容量・スタイルの製品を選ぶでしょう。
そしていざ設置場所に置くとき「冷蔵庫を壁にぴったりくっつけてしまうのはよくない。
十分なスペースを開けて置く必要がある。」という言い伝えが頭をよぎるのではないでしょうか。
はたしてこの言い伝えは正しいのでしょうか、それとも一種の都市伝説のようなものなのでしょうか。
それらを検証すると共に、冷蔵庫を設置する際の注意すべき重要点をいくつかご紹介いたします。

冷蔵庫は スペックの高さを追求すれば、白物家電の中でも洗濯機と同じくらい高価な製品です。
そんな冷蔵庫だからこそ、ただ機能性が高いからと言う理由で製品を選ぶだけでなく、バカにならない毎月の電気代を抑える工夫をして効率よく使いましょう。
まず”冷蔵庫の設置場所”と ”右・左・両開きのどの冷蔵庫が使用場所での動線上最も使いやすいのか”を確認することが大切です。
それからもう一つ重要なのが 壁と冷蔵庫、冷蔵庫と側面にある家具との隙間です。今回はこの”隙間”にフォーカスします。
目次
冷蔵庫の背面に隙間をつくる理由
「冷蔵庫を設置する時は 冷蔵庫の背面を壁からある程度離して置かないと冷蔵庫の故障につながる」と聞いたことがあると思います。これは「冷蔵庫の放熱板」の存在理由から来ると思われます。
冷蔵庫は言わずもがな食品を冷やすための家電ですが、効率的に冷却するには 冷やす時に集めた熱を”放熱”する必要があります。
その時に必要になるのが「放熱板」と呼ばれる板で、以前は冷蔵庫本体の背面にあるものが主流でした。
冷蔵庫の背面に黒い板のようなものがあったのをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「冷蔵庫の背面を壁から離して置く」という概念は、この放熱板と壁の距離が近すぎると十分な放熱ができない、イコール冷蔵庫の冷えが悪くなるのではないか、という考えからきたものだと推測されます。
冷蔵庫と壁の隙間は左右5mm以上・上部50mm以上の空間が必要
設置スペースは、「幅」「奥行き」「高さ」をそれぞれ確認しましょう。
冷蔵庫を設置する際には、冷蔵庫本体のサイズに加えて、左右5mm以上、及び上部50mm以上の空間が必要になります。
この隙間が無いと、放熱がうまくいかず、冷えにくくなる場合があります。
冷蔵庫の放熱板の位置に注意しよう

冷蔵庫の放熱板はどこにあるかご存知でしょうか。
だいたいに於いて側面や上部に設置されているものですが、最近の冷蔵庫にはそれらしき物はちょっと見ただけでは分かりにくいと思います。
放熱板 | ||
---|---|---|
位置 | 理由 | 注意点 |
●背面放熱 | 壁と後ろの距離を離さなくにもいいように | 設置場所を選ぶ必要が出てきて不便 |
●側面放熱 | 冷蔵庫の両サイドを広く開けておかなくてもいいように | マグネットでペーパー類や小物の収納スペースにしたり、リメイクシートで覆わない |
●上部放熱 | トップユニット方式ともいう。 | 熱は自然と上に上っていくため、冷蔵庫の上にものを載せることは避けましょう。 メーカーによってはトップユニット方式で(通気用の穴が天井面についているものもある)そこから放熱します。 その穴を塞いでしまうと、冷却効率がてきめんに落ちてしまうため物を載せたりせず、汚れ防止のためにラップを敷くなどする場合は穴を塞がないように注意する |
それは見た目も重視して内部に設置されているため、外からはわからないように造られているからです。
放熱板の設置場所は 初期の冷蔵庫では背面にありましたが、時とともに側面→上部と変化してきました。
背面放熱よりも側面放熱、側面放熱よりも上部放熱タイプの冷蔵庫が新しいと言えます。
かつての放熱板は上部ではなく、冷蔵庫側面や背面についていました。
冷蔵庫の上部に物を置かない 側面に紙を貼らない
先にも記載したように、熱は自然と上に上っていくため、効率よく冷却させるためにも冷蔵庫の上にものを載せることは避けましょう。
冷蔵庫側面も有効活用しようと、ついついマグネットでプリント類を貼ったりしてしまいがちですが、この行為も冷却率を低下させることに繋がります。これでは必然的に電気代も無駄に上げてしまいます。誰しもランニングコストは抑えたいものです。
冷蔵庫側面は放熱する仕組みになっているため、シールなどを貼るのもできるだけ控えましょう。
とは言っても「どうしてもインテリアに合わせて、無機質な冷蔵庫をおしゃれにリメイクしたい」と言う人は ”貼るのは側面の片側だけ””使う頻度の多い お洒落なキッチンツールだけをいくつか”など 自分なりのルールを決めて工夫しましょう。
放熱板の掃除の方法
ゴミやホコリが溜まると 冷蔵庫内が冷えにくくなるため電気代が上がってしまいます。
もっと重要なのが、コンセントについたホコリで火災が発生する事故が多いことです。
定期的に掃除をし、ホコリを取り除くことで節電にも繋がります。
放熱板が背面にあるタイプは以前製造されていた型の冷蔵庫ではありますが、白物家電は長い年月使用されている方も多いと思います。
なのでここでは、背面に放熱板がある冷蔵庫向けに 冷蔵庫の後ろのお掃除の仕方をご案内します。
もちろん新しいタイプの冷蔵庫も 年に1度は後ろの方まで掃除したいものですので、同じ要領でお試しください。
・掃除機(できればハンディタイプか、隙間ノズルにする)
・雑巾2~3枚程度
まずはじめに 冷蔵庫の脚のカバーを外したら 高さ調節をします。
ここを手でクルクルと回して緩め、冷蔵庫の前方の高さを少しだけ上げておきます。
次に 冷蔵庫の底にバーがついているので、バーを握って手前に冷蔵庫を引っ張ります。
後ろにはキャスターがあるので 簡単に引き出せます。
これで 後はゴミやホコリをしっかり取り除いてから雑巾で水拭きします。
長年かかって溜まったホコリは湿気を含んで取りにくくなっている場合があるので、水拭きでしっかりと拭き取りましょう。
放熱板のある開口部が狭い冷蔵庫のお掃除アイデアは、いらなくなった古いストッキングを下に通し、反対側からストッキングを引っ張れば 静電気の力でホコリが綺麗に取れます。
冷蔵庫の隙間についてのまとめ
- 背面に放熱板のある製品はリリースされなくなったので 壁との距離をとる必要はなくなりましたが、側面にある壁や家具との隙間はほんの少しでいいので開けておき、上にも物は載せないようにしましょう。これが効率よく冷却させて 電気代を抑えるコツです。
- 隙間間隔も キッチンの間取りや冷蔵庫の設置スペース、どれくらいのサイズの冷蔵庫が設置できるのかなどを確認しましょう。冷蔵庫設置のおさらいと共に ポイントもプラスして記載します。
- 冷蔵庫に直射日光が当たったり、風通しが悪いと、冷却力が低下し電気代が予想以上にかかってしまうことがありので冷蔵庫を設置する場所は、日陰で熱気の当たらない風通しの良い場所を選ぶ。
- 冷蔵庫を設置する際には、冷蔵庫本体のサイズに加えて、左右5mm以上、及び上部50mm以上の隙間空間が必要になるため 設置スペースは「幅」「奥行き」「高さ」をそれぞれ確認し購入にひかえてメモをとっておく。
- 床が丈夫で水平であること・専用コンセントの有無も確認しておく。
- いかがでしたでしょうか。「たかが隙間 されど隙間」です。冷蔵庫の冷却を効率よく行うためには この”隙間”がとても重要になってきます。このちょっとした意識の持ちようで 冷蔵庫内の食品を冷やす力が最大に活かせます。
- その知恵と工夫が ひいては省エネにもつながっていきます。環境にもお財布にもやさしい使い方け心がけましょう。(参考動画 【掃除】女性一人でも簡単にできる!冷蔵庫の動かし方)
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