電気こたつは日本の冬の暮らしに欠かせない暖房器具のひとつですが、近年では日本の住宅事情の変化や、少子高齢化の影響で需要が減り、大手家電メーカーのほとんどが生産を終了しています。

家電量販店の暖房コーナーでも、電気こたつの陳列品を目にすることはほとんどなくなってしまいましたが、だからといって電気こたつが完全に消滅してしまったわけではありません。

市場が縮小しても一定数の需要は見込めることや、大手メーカーのあいつぐ撤退と主要特許の期限切れもあって、中堅や新興の家電メーカーにとっては、むしろ参入しやすいニッチマーケットになっている、ともいえます。

量販店の店頭展示こそありませんが、大手メーカーから市場を引き継いだ中堅や新興メーカー各社はネット販売をメインにすることで在庫を集約し、低価格を維持しながら、古き良き日本の民芸ともいえる電気こたつの開発販売を継続しています。

消費者の多様なニーズに応えて、サイズやデザインのバリエーションを増やし、毎年のように商品改良を重ねています。したがって大手メーカーの国内産にこだわらなければ、現在でも電気こたつの新製品を安く手に入れるのはむずかしいことではありません。

ここではいまなお根強い人気を保っている電気こたつについて解説いたします。

冬に向けての暖房器具としての電気こたつ

長くきびしかった残暑がようやく峠を越すと、季節は秋から冬に向けて速い足取りで変わっていきます。日中は多少暑くても、朝晩に肌寒さを感じるようになったら、いよいよ暖房器具の出番です。

電気や石油ストーブ、ホットカーペットなど、暖房器具の種類もさまざまですが、電気こたつを準備するとなると、それはまさに冬支度そのものです。

夏場はテーブルとして利用していたこたつをいったん上げて、床に断熱シートや敷き布団をしき、その上にこたつを戻すと、かけ布団ですっぽり覆って、最後に天板を上に置きます。

そうして冬モードに模様替えした部屋は、見るだけでも暖かく快適そうに思えませんか?ふっくらしたこたつ布団に包まれた電気こたつは、断熱性と保温性が高く、電気代も意外にかかりません。

山善の電気こたつの商品詳細によると、起動直後の数分間は最大出力で暖めますが、その後は省エネモードに切り替わり、電気代を節約する仕組みになっています。弱モードでの電気代は1時間当たり2円前後しかかかりません。電気こたつは快適で優れた省エネ暖房器具です。

電気こたつを上手に使って暖かさを維持

電気こたつは保温性と省エネ効果が高い暖房器具ですが、フローリングなどの冷たい床に直接置いてしまうと、床に熱を奪われてしまいます。

その場合はこたつ専用の断熱保温シートを敷いて、その上に敷き布団を広げると、電気代の節約にもなりますし、暖まるのが早くなり快適性も高まります。

保温シートは100均でも入手できますが、こたつで使用する場合はクッション素材のジョイントマットを併用すると、断熱効果が倍増し、ますます快適になると同時に省エネ効果も高くなります。

電気こたつの種類

古くからあるこたつと言えば、古民家などでおなじみの掘ごたつを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。掘ごたつは文字どおり、こたつの真下の床に「炉」と呼ばれる穴を掘り、そこに暖房の熱源を設置するのがふつうです。

炉の上には「櫓(やぐら)」と呼ばれるテーブルを置き、布団で全体を覆います。シーズンオフに入ると布団を外し、堀座卓として利用します。最近の掘ごたつは、「炉」の床や壁面に突起のないフラットヒーターを設置して、内部を均一に暖める仕組みになっています。

ヒーターのボックスや突起物がないので、炉内の掃除も簡単です。掘ごたつは大手家電メーカーでは唯一、パナソニックだけが住宅設備のひとつとして、現在でも受注生産で製造しています。

ただし設置工事をともないますので、金額は安くありません。掘ごたつは、炉の穴に足を下ろして床に座る形で入るため、体の不自由なお年寄りでも楽な姿勢をとることができます。

デメリットとしてはもゴロ寝がむずかしいことと、こたつの移動ができないこと、床を掘るので上の階に設置できないことがあげられます。

その点、やぐらだけを床に置くやぐらこたつ(「置きごたつ」とも)は移動が自由で、床に穴を開ける必要がなく、2階や3階でも難なく設置することができます。こたつの本体も安価で手に入るので、一般家庭にも広く浸透しています。

生活スタイルによって電気こたつの選び方が変わる

電気こたつは大手家電メーカーが撤退した後も、中堅や新興メーカー各社が市場を引き継ぐ形で開発販売を続けています。

現代の電気こたつ市場は典型的なニッチマーケットですので、メーカー各社は現代人のライフスタイルに合わせてバリエーションを増やしています。たとえば一人暮らしの若者向けに小ぶりな丸型や正方形のこたつがいくつも用意されています。

ファミリー向けにはダイニングテーブル型のこたつがあります。犬や猫用のペットこたつまであります。ほかにも高さが調整できるこたつや、こたつのヒーター部分を最小限のやぐらで囲ったミニこたつなど多種多様な商品を取りそろえています。

皆さんもご自身のニーズとライフスタイルに合った商品をお選びください。

最新電気こたつおすすめ4選

YAMAZEN WG-803H

大阪府大阪市の大手専門商社、株式会社山善は「YAMAZEN」のブランドで家電製品の開発販売も手がけています。WG-803Hは定評ある国産の薄型ヒーターを搭載したパーソナルタイプの家具調こたつです。

シーズンオフにはテーブルとしても使用できるように、天板をねじで固定することができます。大きさは80×80cm。5cmの継ぎ脚つきで、高さを36cmか41cmに変更することができます。天板の角を丸く落としたデザインなので、小さなお子さまが万一ぶつかっても安全です。

スーリルー アロー

スーリルーはインテリアや生活用品の総合卸販売会社ナカムラが規格開発するインターネット販売主体のオリジナルブランドです。「アロー」は、電気こたつでは珍しい北欧調のモダンなデザインが人気のロングセラーモデルです。

バリエーションは台形と楕円形の2タイプがあり、色調もオークとウォールナットの2色から選べます。脚は収納に便利な折りたたみ式で、ヒーターも収納時やこたつとして利用するときにもじゃまにならないように、突起部分を削減したフラットなデザインを採用しています。

電気代は130W出力で1ヶ月わずか384円という省エネ設計です。

小泉成器 KTR-3077

大阪市中央区備後町に本社を置く電機メーカーの小泉成器も家具調こたつを数多くラインナップしています。

KTR-3077は60×60cmのコンパクトな正方形タイプで、一人住まいにぴったりのサイズです。商品は組み立て式ですが、4本の足を蝶ねじで固定するだけですから、工具は不要です。

高さは36cmですが、同梱の継ぎ脚を装着して5cm高くすることもできます。シーズンオフには不要な電源コードを収納できるポケットも備えています。天板には象嵌加工のおしゃれなワンポイント装飾を施しています。

テクノス EKA-105A

東京都千代田区外神田に本社を置く株式会社千住は家電専門の卸商社で、1980年から「テクノス」ブランドで家電の自社製造も行っています。

EKA-105Aはテクノスが製造するカジュアルな電気こたつです。サイズは105×75cmの小家族向けで、高さは38.5cm。脚は折りたたむことができるので、収納も簡単です。

本体色はホワイトのみですが、天板はホワイトとダークブラウン木目のリバーシブルになっています。ヒーターは500Wの石英管ヒーターで、内部をすばやく均一に暖めるためにファンを内蔵しています。電気代の目安としては、「強」運転で、1時間当たり約2.7円となっています。

電気こたつについてのまとめ

  • 電気こたつは日本の伝統的な暖房器具ですが、近年は需要が激減し、大手家電メーカーは製造を終了しています。
  • 現在では中堅や新興の電機メーカーがインターネット販売を中心に電気こたつの販売を継続しています。
  • 電気こたつは市場としてはニッチですが、メーカー各社は消費者の多様なニーズに合わせて、さまざまなこたつを販売しています。