航空業界やホテル業界などでは、各社がグループを作る動きが進んでいるのを耳にしたことがあるでしょう。時計業界でも同じような動きがあります。動きが激しい世界の経済の中では、腕時計会社が単独で生き残っていくのは難しくなってきています。
ここでは、世界の時計業界の動向や国内ブランドの動向についてご紹介します。気になる腕時計ブランドの今がわかります。
時計業界の現在の動向
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時計業界でも、他の業界と同じようにブランド化とグループ化がどんどん進んでいます。
時計業界では世界三大ブランドが有名ですが、三大勢力というのもあります。それが「スウォッチグループ」、「リシュモングループ」、「LVMHグループ」の3つになります。
他にも、「WPHHグループ」、「独立時計師アカデミー」や「ケリンググループ」などもあります。
ここでは、三大勢力のそれぞれのグループについて、どんな時計ブランドを傘下に収めているのかご紹介します。
スウォッチグループ
時計業界の三大勢力の中でも、もっとも有力なのが「スウォッチグループ」でしょう。名前からも分かる通り「スウォッチ」がもとになるグループです。
しかし、最有力といわれる理由は「スウォッチ」ではなく、ムーブメントの世界最大の会社である「ETA社」を傘下に収めているところでしょう。機械式、クォーツ式両方のムーブメントを製作しており、ヨーロッパで作られるほとんどの腕時計はETA社のムーブメントを搭載しています。
高級腕時計ブランドの買収にも積極的で、傘下には「ブレゲ」、「ブランパン」、「オメガ」もあります。すでに合計で12の腕時計ブランドを傘下に収めていますが、さらなる買収もあるでしょう。
ちなみに、腕時計の評価も高いジュエラーであるハリー・ウィンストンも、スウォッチグループの傘下です。
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リシュモングループ
リシュモンは、世界3大ラグジュアリー・コングロマリットのひとつともいわれるグループで、宝飾品、腕時計、筆記具、服飾の4部門に分けられています。宝飾品、腕時計の中には、腕時計世界三大ブランドの「ヴァシュロン・コンスタンタン」も傘下に持っています。
ちなみに、三大ブランドでグループ傘下に入っているのは「ヴァシュロン・コンスタンタン」のみで、「パテック・フィリップ」と「オーデマ・ピゲ」は独立しています。
時計専業有名ブランドでは他に、ドイツの名門ブランド「ランゲ&ゾーネ」、スイスブランド「ジャガー・ルクルト」、「パネライ」、「IWC」なども傘下になっています。
他には、「カルティエ」、「ヴァン クリーフ&アーペル」、「ピアジェ」なども傘下に持ち、スウォッチグループが最大のライバルとしているグループです。2010年には、スウォッチグループがETA社ムーブメントのリシュモングループへの提供を制限したほどです。
リシュモングループは、銀座やパリのヴァンドーム広場など格式の高いエリアでの出店をしつつ、勢力を伸ばしています。
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LVMHグループ
ファッション業界で世界最大といえるLVMHグループは、もともとはフランスの不動産会社です。今では、「ファッション・レザー」、「時計・宝飾」、「香水・化粧品」、「酒類」、DFSなどの「小売り」の5つの分野でグループが成り立っています。
腕時計でも、そうそうたるブランドを傘下に収めており、「ゼニス」、「ウブロ」、「ブルガリ」、「タグ・ホイヤー」、「ディオール・ウォッチ」などがあります。
グループ傘下のファッションブランドの中にも、ルイ・ヴィトンをはじめ、腕時計でも有名なブランドもあります。
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国内の人気ブランド
日本国内では海外ブランドも人気ですが、国産ブランドも人気上昇中です。国内のみの人気だけでなく、海外の若者にも人気が出て逆輸入というパターンで日本での人気にも火がついた形になっています。
国内では、「カシオ」、「シチズン」、「セイコー」、「オリエント」、「ミナセ」、「ケンタックス」、「ジーエスエックス」、「ノット」などがあります。
ここでは、世界の巨大グループには買収されず、独自にがんばる日本三大ブランド、「カシオ」、「シチズン」、「セイコー」についてご紹介します。
カシオ
カシオといえば、Gショックが真っ先に思い出される国内ブランドでしょう。
もともとの電子機器メーカーとしての技術力から、壊れない腕時計として世界的に人気があります。最先端技術の開発に優れたブランドでもあります。圧倒的な信頼性と技術力で、タフソーラー搭載モデルや電波時計に人気があります。
カシオは時計以外にも、電子辞書や電卓、ハンディターミナルなどの幅広い電子機器を今でも製造し続けています。
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シチズン
懐中時計から始まったシチズンは、今ではGPS電波時計やエコドライブという独自の光発電で人気を集めています。
レディースの人気ラインナップ「xC」や高級路線「カンパノラ」、低価格の「Q&Q」などを幅広いラインナップ展開で、どんな人でも欲しい時計が見つかるブランドでしょう。海外でも、低価格ながら質の高いブランドして人気があります
現在はシチズングループとして、腕時計以外にも電子デバイスや自動車部品の製造なども手掛けてます。
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セイコー
セイコーは、1903年創業の服部時計店からはじまり、世界にクォーツ・ショックを巻き起こした日本が世界に誇るブランドです。
クォーツ腕時計といえば安さが売りですが、セイコーは今では「グランドセイコー」、「アストロン」、「プロスペックス」など高級路線も展開してます。
歴史に名を刻んだセイコーは、世界からも愛されるブランドです。セイコーホールディングスグループとして、電子機器やメガネなどさまざまな事業も展開しています。
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時計業界の現状と国内メーカーが伸び悩む理由 国内シェアの比率
時計業界の動向についてのまとめ
- 時計業界でも、他の業界と同じようにブランド化とグループ化がどんどん進んでいる。
- 「スウォッチグループ」、「リシュモングループ」、「LVMHグループ」、「WPHHグループ」、「独立時計師アカデミー」、「ケリンググループ」などたくさんのグループが時計業界にもある
- その中でも「スウォッチグループ」、「リシュモングループ」、「LVMHグループ」は、時計業界の三大グループといわれている
- 時計業界の三大勢力の中でも、もっとも有力なのが「スウォッチグループ」
- ムーブメントの世界最大の会社である「ETA社」も傘下に収めているところが世界最大の所以で傘下には「ブレゲ」、「ブランパン」、「オメガ」もある、すでに合計で12の腕時計ブランドを傘下に収めていますが、さらなる買収もあると予想できる
- リシュモングループは、世界3大ラグジュアリー・コングロマリットのひとつともいわれるグループで、宝飾品、腕時計、筆記具、服飾の4部門に分けられている
- 宝飾品、腕時計の傘下には、「ヴァシュロン・コンスタンタン」、「ランゲ&ゾーネ」、「ジャガー・ルクルト」、「パネライ」、「IWC」、「カルティエ」、「ヴァン クリーフ&アーペル」、「ピアジェ」などがある
- 2010年には、スウォッチグループがETA社ムーブメントのリシュモングループへの提供を制限したほどのライバルといえる
- ファッション業界で世界最大といえるLVMHグループは、腕時計でも大きなシェアを持つ
- 傘下には、「ゼニス」、「ウブロ」、「ブルガリ」、「タグ・ホイヤー」、「ディオール・ウォッチ」、「ルイ・ヴィトン」などがある
- 日本国内では、国産ブランドも人気上昇中
- 「カシオ」、「シチズン」、「セイコー」、「オリエント」、「ミナセ」、「ケンタックス」、「ジーエスエックス」、「ノット」などがあるが、日本三大ブランドといわれるのは「カシオ」、「シチズン」、「セイコー」
- 「カシオ」といえば、Gショックが真っ先に思い出される国内ブランド、圧倒的な信頼性と技術力で、タフソーラー搭載モデルや電波時計に人気がある
- 懐中時計から始まった「シチズン」は、今ではGPS電波時計やエコドライブという独自の光発電で人気を集めている、高級路線から低価格の腕時計まで、どんな人でも欲しい時計が見つかるブランド
- セイコーは、世界にクォーツ・ショックを巻き起こした日本が世界に誇るブランド、今では高級路線も展開し、世界からも愛されるブランド
- セイコーホールディングスグループとしてさまざまな事業も展開している